射出成形でオンリーワンの色・模様を作る! マーブル色調食器が完成!
2026年04月01日
コラム

こんにちは。出光興産のひらめき開発室です。
前回チャレンジしたマーブル色調食器ですが、残念ながらうまくはいきませんでした。

ちょっとだけマーブル模様は出たけれど。
ですがここで諦めるひらめき開発室ではありません!
前回は通常の射出成形機を用いたトライだったので、今回は成形機を変えてチャレンジです!
奥の手! ツインバレル成形機
ツインバレルとは、バレル(加熱シリンダー)が2つある成形機です。バレルとスクリューは一体化した部品で、樹脂を可塑化(溶かす)して射出する役割を持っています。通常の射出成形機では1本しかついていませんが、今回は2本のバレルが付いている成形機を用いました。こういった成形機は通常、多色成形などに用いられます。
参照記事:射出成形機と金型の関係性(1):射出成形の基本(7)
- 使用成型機:台湾メーカー350t ツインバレル
- 金型温度:140℃設定
- 樹脂温度:290℃設定
- 金型:2個取
- トライ使用材料:S135 (ナチュラル/黒)
- S135(ライトグレー/黒)
では、こちらの条件で再トライ!
ついにマーブル色調食器に成功!
まずはどんぶり型の食器でトライしてみました。
それぞれのバレル→ノズルを通して樹脂の注入の仕方を変えることで、異なる趣きの成形品を作り出すことができました。

興味深いことに、2つのバレルにそれぞれのカラーの樹脂を入れ、射出速度、圧力のかけ方、保圧位置を変更することなどによって、マーブル模様の出し方をコントロールできることが分かりました。
Aバレルに黒、白バレルに白のSPSペレットを入れ、4パターンを試してみました。
1. 黒主体(外側)でふちに白を分散させる
→Aバレルを一気に射出後、やや遅めのタイミングでバレルBを開放
2. 全体に白を分散させる
→Aバレル開放を遅くし、射出速度を下げてBバレルを一気に射出させる
3. 白主体(外側)でふちに黒を分散させる
→Aバレルの射出圧力を下げてゆっくり成形して、バレルBを一気に開放
4. 全体に黒を分散させる
→Aバレルの射出圧力・速度を高めにして一気に成形し、同時にバレルB小さめに開放
同一成形条件で成形しても、全く同じマーブル模様にはなりません。微妙に模様が変わるため、全て一点モノになります!
外観検査では厳しいマーブルの判断基準を作ってしまうと、生産は大変になってしまうので、外観基準の決め方にはちょっと工夫が必要になりそうです。ですが、自然な風合いのある成形品は他にありません。特別感のある、魅力的な製品が作れそうです。
さて、平皿でもトライです。
- 金型:φ240㎜、ゲート周辺肉厚:3.7mm(ゲート周辺は丸みを帯びた形状)
- トライ使用材料:黒、S135(白)/(黒)

縁を黒にするか白にするかでかなり雰囲気の違うお皿になります。自然に釉薬がかかった陶器皿のような高級感がありますね。もちろんSPS樹脂製なので軽くて割れませんが、写真を見ただけでは、決して樹脂製のお皿には見えませんよね。これはすごい。大成功です!!
てっさを乗せて、一気にお箸で掬いたい! そんなお皿が出来上がりました。
マーブル色調は食器以外でも!
今回のトライを経て、このマーブル色調は食器に限らず、雑貨や家電などさまざまな分野で応用が利くのではないかとひらめき開発室は考えています。
均一な成形品だけでなく、プラスチック射出成形品にオリジナリティと温かみを持たせることができるマーブル色調。意匠性を求める製品にはピッタリです。ご検討をされたい方はぜひ出光興産ひらめき開発室までご連絡ください。
ひらめき開発室では、ピカっと光るアイデアをこれからもチャレンジしていきます!(次回へ続く)
編集部より:「ひらめき開発室」は架空の部署です。出光興産に実際にある部署ではありません。
