「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」でSPSの新技術をお披露目!
2026年06月10日
コラム

2026年5月27日から29日の3日間にわたり、パシフィコ横浜にて自動車技術の専門展示会「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」が開催されています。
出光興産は今年もブース出展し、同社が世界で唯一製造するエンジニアリングプラスチック「SPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂/ザレック™」を活用した最新ソリューションを展示しました。
今回は、車載用コネクタや電動システム周辺部品向けのSPS新グレードを中心に披露しました。


今年のブースはコンパクトでオープンな作り!
出光ブースも、来場者でにぎわっていました。普段、SPSを使ってくださっているユーザーさんたちもたくさん来訪してくださいました。
今回は、SPSを全く知らないという方は少なかったからか、SPSの特徴についての質問はあまりなく、用途事例に高い関心が寄せられました。自動車業界でのSPSの認知度の高さを実感しました。

シートの展示写真
これまでSPSの展示は射出成形品が中心でしたが、今回は、「密封型モーター向け電気絶縁シート(押出成形シート)」の現物を初めて展示しています。
先程もお伝えしたように、SPSをご存じの方の訪問が目立ちましたが、「こんな用途にも使われているんだ!」とおっしゃられている方が多かったです。
SPSは耐トラッキング性(CTI 600V以上)や耐加水分解性、低誘電損失といった優れた特性を持ちますが、フィルムやシート状にしてもその性能をいかんなく発揮できます。現時点では、押出成形シートの上市については時期が未定ですが、お客さまからの需要があればすぐにでも提供できる準備は整っています。
また、今回の展示では高電圧部材向けやコネクタ向けの新グレードを披露しています。
車載コネクタなどの分野では、端子のピッチ間を狭めて製品自体を小さくする軽薄短小化のニーズがますます強くなっています。それに伴い、より高い絶縁性能、すなわちトラッキング性能(CTI)を向上させたいという要求が市場から出てきています。



このニーズに応えるため、出光はCTI 600Vと軽量性を両立した「S137」をはじめ、耐ヒートショック性とV-0難燃性を兼ね備えた「S840」、そして現在開発中の「S147X」といった新グレードを投入し、高まる絶縁要求と小型化に同時に応える技術をアピールしました。

会場では、SPSを使った部品の設計や成形を支援する、CAE解析(シミュレーション)のサービスも紹介しました。樹脂流動解析や構造解析、流体解析などに対応しています。素材を作って供給するだけではなく、素材をうまく活用した設計も支援する、出光ならではの幅広い技術力をアピールしていました。
CAEについて、「人くる」では、初めての展示だったため、反響が大きく、たくさんの質問や確認がありました。

今回は自動車が主役ですが、食器関連など、非自動車関連についても展示しました。

「ポリカが割れたら、タフロンネオ!」――出光のPC(タフロン)チームと一緒に出展。こちらでは高耐熱グレードなどを披露しています。
材料供給への懸念は?
昨今の複雑な中東情勢などを背景に、材料の供給安定性を懸念する声も自動車業界全体に広がっています。ただ今回の人くる展においては、出光ブース来場者の方々から、素材調達への懸念について、頻繁に尋ねられるということはありませんでした。
出光の素材については、石油元売りとしての強みを生かして安定供給できるようにしています。SPSについては、エチレンを使用しない素材であることと、レジンの在庫確保がいまのところ安定しているのとで、在庫確保について問題は起こっていません。
情勢が情勢なので、出光側から強くそれをアピールすることは控えています。ただ、材料の供給に関して質問を受けた際には、基本的には供給に問題はないと取引先にもお伝えしています。
出光といえば、このところのニュースで原油タンカーの「IDEMITSU MARU」の話題でよく名前があがります。IDEMITSU MARUが、ホルムズ海峡を無事通過できたことで、日本向け原油輸送の実績と、ペルシャ湾内に残る船舶の退避・通航に向けた先例を作ることができました。
ぜひ以下のコラムも、併せてご覧ください。
森川EYE

SPSという材料提案のみならず、CAE解析とのセットで製品提案ができるという内容をもっと充実させたいですね!
将来的には、この提案を具体化したモデルサンプルを展示したいと考えています。
