使用済みプラスチックリサイクル事業化に向けた基本設計を開始
2022年09月12日
ニュース
近年、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化などへの対応が推進されていることに加え、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されるなど、プラスチックの資源循環を一層促進する重要性や社会的ニーズが高まっています。
一方、国内では現状、約820万トン/年の使用済みプラスチックのうち、再生品への利用は約2割に留まっており、5割以上の使用済みプラスチックは再生利用が困難であることから、サーマルリサイクルとして燃料化されているのが現状です。そのような中、リサイクルプラスチックの拡大ニーズに応えるために、従来にない革新的なケミカルリサイクル技術が求められています。
本事業は、当社千葉事業所エリアに新たに建設する環境エネルギー社のプラスチック油化装置(HiCOP技術※1)を用い、使用済みプラスチックから得られた生成油を 同所内の石油精製・石油化学設備で精製・分解・再合成し、「リニューアブル化学品」を生産するものです。
当社と環境エネルギー社は、2019年度より使用済みプラスチックの油化ケミカルリサイクル技術開発に共同で取り組み、2021年からは実証検討を行ってきました。商業設備建設に必要な技術開発の目途が立ったことから、このたび、2025年度の商業運転開始に向けた基本設計を行います。
原料となる使用済みプラスチックの調達についても、首都圏・中部圏の大手リサイクラーである市川環境ホールディングス、前田産業と共同で調査を行っており、具体的な調達体制の構築に向け検討を開始することを合意しました。
本事業化により、当社の既存設備を有効活用したプラスチックの資源循環生産システム(ケミカルリサイクル・システム)の構築を目指すとともに、全国各地のグループ製油所での事業展開も検討します。